TOEIC L&R 公式認定証 紙での発行は選択制へ

IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)は12月20日、お知らせにてTOEIC L&R公開テストの公式認定証の発行方法に関する方針を発表しました。

ポイントは以下の3点です。

1.紙の公式認定証を希望する場合はテスト申込時に指定(選択)する必要あり

現在、紙とPDFの両方で公式認定証が発行されていますが、2025年度以降に受験するTOEIC L&R 公開テストにおいて紙の公式認定証の発行を希望する場合は、テスト申し込み時に「紙の公式認定証の発行」という項目で「希望する」を選択する必要があります。もし、「希望しない」を選択した場合は、紙の公式認定証は自宅に郵送されてきません。

2.選択制の適用は2025年4月20日(日)実施の公開テスト(の申し込み時)から

紙の公式認定証の発行を「希望する」「希望しない」を選択する仕組みは、2025年4月20日(日)の公開テスト(2025年2月に申し込み受付開始)から適用されます。それまで(2025年3月16日(日)の公開テストまで)は、紙の公式認定証は自動的に発行されます。

3.デジタル(PDF)版の発行はデフォルトで継続

紙の公式認定証の発行希望の有無にかかわらず、デジタル(PDF)の公式認定証の発行は継続されます。つまり、2025年度以降はPDFの公式認定証の発行が前提で、それに加えて希望ベースで紙でも発行するサービスが提供されるということです。なお、紙の公式認定証の発行を希望した場合に、追加でお金を取られることはありません。


ブロックチェーン技術の導入により、公式認定証の改ざんリスクが限りなくゼロになり、安全性と信頼性が担保できる仕組みを確立したIIBCは当初、2023年11月からデジタル公式認定証に移行する方向で検討を進めておりました。実はこの時の発表では、11月以降は有料で紙の公式認定証を発行可としていたのですが、2023年11月末に急遽2024年度以降も紙の公式認定証を継続して発行することを発表し、デジタル公式認定証への実質的な完全移行を1年延期するかたちになりました。

この背景はよくわかりませんが、引き続き公式認定証を紙で受け取りたいという人が意外と多く、紙の公式認定証の有料化に対して反発の声があった可能性が考えられます。そこで、2024年度は紙とPDFの発行を両方継続しながら様子を見てきたわけですが、最終的に紙の公式認定証の発行を廃止するのはリスクが高いと判断して、今回の方針を決定し、本日発表したと考えられます。

これは賢明な最終判断ではないでしょうか。「PDFで受け取れれば十分だ」「紙で送られてきても捨てるだけだ」「SDGsに反する」「時代遅れだ」という人は、「紙の公式認定証の発行」という項目で「希望しない」にチェックを付ければよく、「紙じゃなきゃ嫌だ」「自宅に郵送されてくる水色の封筒を開けるのが楽しみだ」「パソコン操作が苦手でデジタル公式認定証のダウンロードの仕方がよくわからない」という人は、「希望する」にチェックを付ければよい(しかも紙の公式認定証の発行に追加料金はかからない)この仕組みに対して、文句を言う人は誰もいないはずです。コストカットを断行してサービスや顧客満足度が低下することによって受験者が減るリスクを取るよりも、誰もが満足するサービスを提供しながら同時にコストカットを行う方が賢明です。先日発表されたリピート受験割引制度のリニューアルに続いて、良い決定、良いお知らせだったと思います。

この制度の詳細は後日IIBCのホームページに掲載予定とのことですので、そちらも必ずご確認ください。