2025年に読んだ洋書

1. 『Silent Parade』
東野圭吾のガリレオシリーズ『沈黙のパレード』の洋書版。期待を裏切らない面白さで、今回も湯川は見事な推理で事件を解決。2022年に映画化。
三島由紀夫の『仮面の告白』の洋書版。2025年は生誕100周年ということで読んだ1冊。内容はともかく、英語で三島由紀夫の良さを味わうのはハードルが高い。
村上春樹の『海辺のカフカ』の洋書版。magical realism全開の傑作。
4. 『Six Four』
横山秀夫の『64 ロクヨン』の洋書版。2016年ダガー賞(翻訳部門)のshortlist作品。日本の警察組織の内部を深く描いているが、テンポよく進まないしとにかく長いので海外の読者にはおそらく響かない。佐藤浩市主演で2016年に映画化。
5. 『Malice』

東野圭吾の加賀恭一郎シリーズ『悪意』の洋書版。人間の悪意は恐ろしい。基本的にhowdunitが焦点ではあるが、それ以上になぜ殺意に至るまでの悪意が生まれたのか、その動機の解明がこの作品の核心。
6. 『Botchan』
夏目漱石の『坊ちゃん』の洋書版。先に読み始めた『吾輩は猫である』のダラダラと続くストーリーに飽きてサクッと読んだ作品。道後温泉はいつか行ってみたい。
7. 『I am blue, in pain, and fragile』
住野よるの『青くて痛くて脆い』の洋書版。『君の膵臓を食べたい』は悲しい青春ラブストーリーだったが、こちらは大学生の男女のすれ違いの友情?を描いた作品。吉沢亮と杉咲花で2020年に映画化。
David Wallace-Wells著。気候崩壊による避けられない真実を綴ったノンフィクション作品。地球が置かれている状況はあまりにも悲惨で、数十年後には人類は地球に住めなくなるということを様々なデータを元に警告。
9. 『Butter』
柚木麻子の『バター』の洋書版。Waterstones Book of the Year 2024など数々の賞を受賞した作品。木嶋佳苗事件がモチーフで、ミステリーと言えばミステリーだが、 どちらかというとmisogynyやsexismをベースに一人の女性記者の人間としての成長を描いている。
王谷晶の『ババヤガの夜』の洋書版。2025年のダガー賞(翻訳部門)を日本人作家として初めて受賞の快挙。ライトノベルっぽい感じでサクサク読み進められるが、こちらもミステリーというよりはmisogyny、sexism、そしてsisterhoodを描いた作品。
東野圭吾のガリレオシリーズ『透明な螺旋』の洋書版。珍しくというか初めて(?)科学的な謎解き要素がないストーリー。その代わり謎に包まれていた湯川の生い立ちが明らかになる。タイトルが秀逸。
12. 『NEWCOMER』
東野圭吾の加賀恭一郎シリーズ『新参者』の洋書版。9つの章に分かれていて、それぞれ独立しているように見えて実は全て繋がっている。湯川学が天才肌の天才なら、加賀恭一郎は人間味溢れるお人好しの天才だと思う。
13. 『After Dark』
村上春樹の『アフターダーク』の洋書版。時計の針を進めながら一晩の出来事を描くという、村上作品としては非常に珍しいスタイル。謎な部分も多いが、おそらく解釈は読者に委ねられているのであろう。
村田沙耶香の『消滅世界』の洋書版。何が消滅した世界なのかは読めばわかるが、未来の姿としてあり得る世界なだけに不思議な感覚に陥る。これが村田ワールドなのであろう。







