IIBC TOEIC受験時の本人確認書類の規定を変更

IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)は1月8日、プレスリリースにてTOEIC受験時の本人確認書類の規定の変更を発表しました。

発表によると、変更のポイントは以下の3点です。

1. IIBCが認める本人確認書類を受験者の国籍(日本国籍か否か)で区分け
2. 新規規定の適用対象はTOEIC Programの全てのテスト
3. 適用開始時期は2026年4月

1. IIBCが認める本人確認書類を受験者の国籍(日本国籍か否か)で区分け
日本人であれば「運転免許証」「パスポート」「マイナンバーカード」「障害者手帳」「学生証」などが本人確認書類として認められます。問題は日本国籍を持たない受験者(留学生、日本で働く外国籍の社会人、何らかの理由で日本に一時的に滞在している人など)のケースです。

これまでは、日本人と同様「運転免許証」や「パスポート」が本人確認書類として認められ、受験が許可されていました。2026年4月以降、日本国籍を持たない受験者の「運転免許証」「パスポート」「障害者手帳」「学生証」は本人確認書類として認められません。代わりに、以下の書類のいずれかを受付で提示することが求められます

・在留カード
・マイナンバーカード
・特別永住者証明書

この規定の変更は、昨年の中国国籍を持つ人物によるTOEIC不正受験事件を受けた、集団カンニングの防止策の一環であると考えられます。なぜなら、これらの証明書は「日本国内に中長期滞在する(している)人」にしか発行されないものだからです。これにより、例えば一時的に日本を訪れてTOEICを受験し、集団カンニングなどで不正にスコアを取得しようとする悪意のある受験者を排除する狙いがあると思われます。それぞれの証明書について簡単に説明しておきます。

在留カード
日本に中長期(3か月超)滞在する外国籍の人に発行される身分証明書で、在留資格(留学・就労など)や在留期間が記載され、日本での滞在が適法であることを証明するカード

マイナンバーカード
日本で住民登録をしている人に任意で交付される顔写真付きの公的身分証明書で、個人番号(マイナンバー)が記載されたカード

特別永住者証明書
特別永住者という特別な在留資格を持つ外国人に発行される身分証明書で、主に戦前から日本に居住してきた人とその子孫が持つ証明書

特別永住者証明書を持つ人は極めて限られるため、日本国籍を持たない受験者は実質的に「在留カード」か「マイナンバーカード」を持っていないと今後TOEICを受験できなくなります

2. 新規規定の適用対象はTOEIC Programの全てのテスト
2026年4月以降、本人確認書類の新規規定が適用されるのは以下の5つのTOEICテストです。

TOEIC® Listening & Reading公開テスト
TOEIC® Speaking & Writing公開テスト
TOEIC® Speaking公開テスト
TOEIC Bridge® Listening & Reading公開テスト
TOEIC Bridge® Speaking & Writing公開テスト

IPテストは適用対象外であることがわかりますが、そもそもIPテストは日本の大学などの教育機関で学ぶ学生か、日本の会社に所属する社会人が受けるテストであるため、IIBCはIPテストを受験する外国籍の受験者は既に「在留カード」か「マイナンバーカード」を所持しているとみなしていると推測できます。その代わり、パソコンの前できちんと本人が受験しているか、カンニングしていないかなどをチェックする監視機能の強化は引き続き求められます。

3. 適用開始時期は2026年4月
新たな本人確認の規定が適用されるのは2026年4月です。TOEICの集団不正受験事件が起きたのが2025年5月であることを考えると、警察の捜査に協力しながら1年かけて迅速かつ段階的に不正受験防止のための措置を講じたIIBCの対応は評価に値します。今後もテストの信頼性確保に向けた取り組み(デジタル受験票の導入など)に期待したいと思います。