第394回 公開テスト(午前) 重要文法のおさらい
※この記事で紹介する内容は、一部『TOEIC®L&R テスト 英単語・熟語ワードツリー』(旺文社)をベースにしています。
1. inform(動詞の語法)(730レベル)(ワードツリーP49)
informを「知らせる」という意味で覚えていませんか?いや、informは「知らせる」でしょ・・・と思っている人のおそらく半分は平気で以下のような間違ったinformの使い方をする可能性があります。
✖ inform the conference venue(会議の会場を知らせる)
この使い方の何が問題なのでしょうか?ワードツリーで確認してみましょう。
infromは「~を知らせる」ではなく「~に知らせる」で、目的語に必ず「人」をとります。語源とイラストから、人の頭の中に情報を入れて概念を形作らせるイメージです。補足説明には「inform <人> of <事>」、「inform <人> about <事>」、「inform <人> that S V」のいずれかのかたちで使うことが多いと記載されています。
これはinformという動詞が持つ語法(語の使い方に関するルール)で、このルールを知らないとinformを会話や文章の中で正しく使う(運用する)ことができません。
💎inform him of a policy(彼に方針を伝える)
💎I’m pleased to inform you about a new training course.
(新しい研修コースについてお知らせいたします)
💎The technician informed Ms. Stanton that her laptop needs repairing.
(技術者はスタントンさんにノートパソコンの修理が必要だと伝えました)
では、the conference venueを目的語にとって「会議の会場を知らせる」と言いたい場合はどうすればよいでしょうか?例えば、多くの人に知らせる場合であれば「announce」を使うことができます。
〇 announce the conference venue(会議の会場を知らせる)
announceは「~を公表する」という意味で、目的語には「人」ではなく「公表する内容」(名詞句やthat節)をとります。ちなみに、announceを使って「<人>に~を公表する」と言いたい場合は、「announce <名詞句> to <人>」か「announce to <人> that S V」とします。これはannounceの語法です。
このように語法の知識は英語運用能力の習得という観点で非常に大事で、TOEICでは特にPart 5の文法問題でその知識が問われます。ぜひワードツリーの補足説明をしっかり読んで、単語の意味とともに語法も確認するようにしてください。
2. help oneself to(動詞の語法/再帰代名詞/慣用表現)(730レベル)(ワードツリーP382,390)
helpを使った慣用表現の1つにhelp oneself to(~を自由に飲食する)があります。
helpの目的語が再帰代名詞なので、「<飲食物>に対して自身を手助けする」すなわち「自分で自由に<飲食物>を飲み食べする」という意味です。
A: Please help yourself to anything you like.
(お好きなものをお召し上がりください)
B: Thanks.(ありがとう)
また、helpを使った口語表現に次のようなものがあります。併せて押さえておきましょう。
A: Is the merger the best option?
(合併が最善の選択しなのでしょうか)
B: It can’t be helped.(やむを得ないのです)
3. be located(動詞の語法)(730レベル)(ワードツリーP258)
locateの語法として押さえておきたいのは以下の2つです。
①<物/建物/場所> is located in/at/on <場所>
② locate <物/建物/場所>
①は「<物/建物/場所>が<場所>に位置している」という意味で、主にTOEICのPart 7で頻出します。受動態で使われる点に注意してください。
💎The missing file was finally located in an old folder.
(紛失したファイルは最終的に古いフォルダの中で見つかりました)
💎The museum is located within walking distance of the station.
(美術館は駅から歩いて行ける距離にあります)
💎The shooting area is located in Morocco.
(撮影地はモロッコにあります)
これらのlocatedは全てsituatedで言い換えることができます。なお、この用法で「人」を主語にとって「<人> is located」のようには使うのは不自然です。
✖ He is located at the station now.
〇 He is at the station now.(彼は今駅にいます)
②は「 <物/建物/場所など>を見つける」という意味で、こちらもTOEICに頻出します。
💎I can’t locate my phone — I must have left it at the café.
(携帯電話が見つかりません―カフェに置き忘れたに違いありません)
💎Can you help me locate the nearest gas station?
(一番近いガソリンスタンドを探すのを手伝ってくれませんか)
💎We’re trying to locate the source of the problem.
(問題の原因を突き止めようとしています)
これらのlocateは全てfindで言い換えることができます。
4. (be) on track(慣用表現/前置詞句)(860レベル)
be on trackを「トラック(乗り物)の上にある」と解釈するのは論外です(乗り物のトラックはtruckである上に、百歩譲ってtrackがtruckのスペルミスだとしても冠詞がないのは明らかにおかしい)。次にやってはいけないのはbe on trackを「現在も進行中である」と解釈することです。この解釈をしてしまうと、次の文が成立することになります。
✖ The project is still on track, because technicians found some problems in the system.
しかし、これは明らかに不自然な文です。もちろん、on trackの代わりにongoingを使えば問題ありません。
〇 The project is still ongoing(,) because technicians found some problems in the system.
(技術者がシステムにいくつかの問題を発見したため、プロジェクトはまだ進行中です)
では、be on trackはどういう意味なのでしょうか?
be on track
to be likely to achieve the result you want
be on trackは「望む結果を達成しそうである」すなわち「(事業などが)順調に進んでいる、軌道に乗っている」という意味を表します。成功へとつながるtrack(線路、軌道)の上にしっかり乗っているイメージです。そうすると上記の✖の例文が不自然な文であることは明らかですね。ちなみに、次のような文であれば問題ありません。
💎The project is still on track, even though technicians found some problems in the system.
(技術者がシステムにいくつかの問題を発見しましたが、プロジェクトは依然として順調に進んでいます)
be on trackを使った例文をあと2つ紹介します。
💎The company is on track to reach record profits.
(その会社は記録的な利益を達成する見込みです)
💎If you keep studying like this, you’ll be on track to get a high TOEIC score.
(このように勉強を続けていけば、TOEICで高いスコアを取れるようになるでしょう)
5. generally speaking(独立分詞構文)(730レベル)
generally speakingは独立分詞構文の慣用表現で、「一般的に言えば」という意味を表します。会話の文頭で使うことが多いです。
💎Generally speaking, people are more productive in the morning.
(一般的に言って、人は朝の方が生産的です)
他に慣用的に使われる独立分詞構文には次のようなものがあります。
strictly speaking(厳密に言うと)
frankly speaking(率直に言って)
roughly speaking(大雑把に言って)
speaking of ~(~と言えば)
speaking of which(〔前言を関係代名詞whichで受けて〕そう言えば)
judging from ~(~から判断すると)
considering ~(~を考慮すると)
taking ~ into consideration(~を考慮すると)
weather permitting(天気が良ければ)
💎Strictly speaking, we missed the deadline by a few minutes.
(厳密に言うと、締め切りを数分過ぎてしまいました)
💎Frankly speaking, I don’t think this plan will work.
(率直に言って、この計画はうまくいくとは思えません)
💎Roughly speaking, sales increased by 10% compared to last year.
(大まかに言えば、売上は昨年に比べて10%増加しました)
💎Speaking of presentations, remember to prepare slides for next week.
(プレゼンテーションといえば、来週のスライドを忘れずに準備しておいてください)
💎I love Italian food. Speaking of which, there’s a great new pasta place downtown.
(イタリア料理が大好きです。そういえば、ダウンタウンに新しく美味しいパスタのお店ができたんですよ)
💎Judging from the sales figures, demand for our product is increasing.
(売上高から判断すると、当社製品の需要は増加しています)
💎Considering the weather forecast, we should postpone the picnic.
(天気予報を考慮すると、ピクニックは延期すべきです)
💎Taking her years of experience into consideration, we offered her the senior manager position.
(彼女の長年の経験を考慮して、私たちは彼女にシニアマネージャーのポジションを提供しました)
💎Weather permitting, construction work on the bridge will resume next week.
(天候が良ければ、橋の建設工事は来週再開される予定です)
6. until now(前置詞の語法)(730レベル)
untilには「接続詞」と「前置詞」の用法があります。一般的に、untilを「前置詞」として使う場合は目的語に名詞句を取ります。
💎until the end of the summer(夏の終わりまで〔ずっと〕)
💎until 2050(2050年まで〔ずっと〕)
ところが、前置詞のuntilは副詞を目的語に取ることもできます。
💎The company has operated locally until now, but plans to expand overseas.
(同社はこれまで国内で事業を展開してきましたが、今後は海外展開も計画しています)
💎The building was used as a school until recently.
(この建物は最近まで学校として使われていました)
until nowは(これまでずっと)を含む文は、現在完了形または現在完了進行形になります。一方、until recently(最近までずっと)を含む文は、話し手がrecently(= just a short time ago)を「現在」とのつながりを意識して使う場合は現在完了形、「過去」の出来事として意識している場合は過去完了形または過去形になります。
7. these(指示代名詞)(600レベル)
指示代名詞のtheseは、直前に登場した複数名詞を指して使うことができます。
💎I made a few changes to the schedule. These should help the team stay on track.
(スケジュールにいくつか変更を加えました。これでチームが順調に進むはずです)
💎Teamwork and communication are critical in group projects. These improve both productivity and morale.(グループプロジェクトでは、チームワークとコミュニケーションが不可欠です。これらは生産性と士気の両方を向上させます)
このTheseをThoseで置き換えるのは不自然です。なぜなら、theseはもともと物理的・時間的に近いものを指し、thoseは遠いものを指すからです。例えば、手元にある複数のペンはthese pens、遠くにあるペンはthose pensと言いますね。また、「最近」はthese days、「当時」はthose daysです。同様に、直前で述べた複数のものを受ける際は、theseを使うのが自然です。では、直前で述べたものをthoseで受けるケースはないのでしょうか?いえ、あります。
💎We discussed several proposed changes in last week’s meeting. Those should help the team stay on track.(先週の会議では、いくつかの変更案について話し合いました。その変更により、チームは計画通りに進めることができるはずです)
この場合は、文末にin last week’s meetingがあって話し合ったタイミングが時間的に離れているので、直前で述べているseveral proposed changesをthoseで受けることができます。「あの時話し合った変更」みたいな意味合いです。
では、theseは直前に登場した複数名詞しか指すことができないのでしょうか?いいえ、これから(直後に)述べるものを指してtheseを使うこともできます。
💎These are the main reasons for the delay: heavy traffic and bad weather.
(遅延の主な理由は交通渋滞と悪天候です)
このTheseをThoseで置き換えることはできません。なぜなら、theseは「既に述べたもの(複数)」と「これから述べるもの(複数)」のどちらを指すのにも使うことができるのに対し、thoseは「既に述べたもの(複数)」しか指すことができないからです。これは、単数形のthisとthatについても当てはまります。
8. manage vs. operate vs. handle(動詞の語法)(860レベル)
この3つの動詞の語法をきちんと理解していますか?まずは次の表を見てください。
manageは「(人・組織・プロジェクト・予算など)を管理する」、operateは「(機械など)を操作する、(システムや事業など)を運営する」、handleは「(問題や苦情など)に対処する、(道具など)を上手に扱う」といった意味を表します。では、それぞれの動詞が使えるケース、使えないケースを例文を見ながら確認してみましょう。
表から、以下のことがわかります。
✅「(会社など)を経営する」という意味でhandleを使うことはできない
✅「(機械など)を操作する」という意味でmanageを使うことはできない
✅「(交渉など)を管理する」という意味でoperateを使うことはできない
ハイスコアを目指す人は、文脈と目的語に応じてmanage、operate、handleのどれを使うのが適切なのかを瞬時に見極められるようにしておきましょう。
いかがでしたか?ではまた次回もお楽しみに!
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