第396回 公開テスト(午前) 重要文法のおさらい


1. the least ~(最上級)(730レベル)
TOEICに比較表現はあまり出ないと思っていませんか?そんなことはありません。as soon as possible、no longer manufactured、no later than Friday、at least two references、at your earliest convenienctなど、比較表現はリスニング、リーディング両方でTOEICに頻出します。その中で、今回はleastを使った「the least ~」という表現に着目してみたいと思います。

中学生の頃、little-less-leastと呪文のように覚えたleastは、限定詞(形容詞)で「(量が)最も少ない、ほんのわずかの」、副詞で「最も少なく、最も~でなく」、名詞で「最も少ないもの、最低限」という意味を表します。

💎The least suitable site is the area near the park.
(最も適さない場所は公園の近くのエリアです)
💎Of all the students, she studied the least but scored the highest.
(彼女は生徒全員の中で一番勉強しませんでしたが、成績は一番高かったです)
💎She has the least to lose in this situation.
(この状況では彼女が失うものが一番少ないです)




文脈によってはネガティブな意味にもポジティブな意味にもなります。文字が印刷されているリーディングでleastを見逃す可能性は低いと思いますが、音が消えていくリスニングでは聞き逃しに注意が必要です。


2. pride oneself on(動詞の語法/再帰代名詞/慣用表現)(730レベル)
prideを使った慣用表現の1つにpride oneself on(~を誇りに思う、~を自慢する)があります。prideの目的語が再帰代名詞なので、直訳は「~に関して自分自身を誇らしく思う」です。

💎They pride themselves on offering excellent customer service.
(彼らは優れた顧客サービスを提供することに誇りを持っています)




その他、同じ意味を表す表現に「be proud of」と「take pride in」があります。

💎Our team is proud of the progress we’ve made.
(私たちのチームはこれまでの進歩を誇りに思っています)
💎Our company takes pride in delivering high-quality products.
(当社は高品質の製品をお届けすることに誇りを持っています)




表現によって異なる前置詞を使う点に注意しましょう。


3. all(限定詞)(600レベル)
allには限定詞(形容詞)と代名詞の用法がありますが、ここでは限定詞の用法を取り上げます。まず、allを使って一般的に「すべての~」という時は「all + 可算名詞の複数形」のかたちをとります。

💎All employees attended the meeting.
(従業員全員が会議に出席しました)




ある特定のものの中で「すべての~」という時は「all + the 可算名詞の複数形」のかたちをとります。

💎All the books on that shelf belong to me.
✖ All books on that shelf belong to me.
(その棚にある本はすべて私のものです)




不可算名詞を修飾する場合は「all + the 不可算名詞」となります。

💎All the information is available online.
✖ All information is available online.
(すべての情報はオンラインで入手できます)





4. those(代名詞)(730レベル)
TOEICで押さえておくべきthoseの用法は、「①既に述べられた名詞の繰り返しを避けるthose」の用法と、「②一般的な人々を表すthose」の用法の2つです。

①のthoseは、例えば次のように本文に登場します。

💎The results were consistent with those found in previous studies.
(結果は以前の研究で発見されたものと一致しました)
💎These features are similar to those of high-end models.
(これらの機能は高性能モデルのものと同様です)




当然、受ける名詞が単数であればthatを用います。

②のthoseを使った例文は以下の通りです。

💎Those who arrive late may not be admitted.
(遅れて到着した場合は入場できない場合があります)
💎T-shirts will be given to those who participated in the race.

(レースに参加した人にはTシャツが贈られます)




thoseはwhoとセットで登場することが多いですが、thoseの後ろに必ずwhoが続くとは限らないので注意しましょう。

💎Those attending the seminar should register in advance.
(セミナーに参加する方は事前にお申し込みください)
💎The results were most significant among those with prior experience.
(結果は、以前の経験を持つ人々の間で最も顕著でした)
💎Recognition goes to those whose contributions were invaluable.
(非常に貴重な貢献をした方々を表彰いたします)





5. collaborate(動詞の語法/自動詞vs.他動詞)(860レベル)
collaborate(協力する、協業する)の意味を知っている人は多いですが、collaborateが自動詞であることを知っている人は意外と少ないです。”意味さえわかれば自動詞/他動詞なんて別にどっちでもいいじゃん”と思っている人は、例えば次のような問題が出題された時に悩んでしまうかもしれません。

The software firm is ——- with universities to train future engineers.
(A) collaborate
(B) collaborated
(C) collaborating
(D) collaboration

collaborateが自動詞であることを知っている人は、(自動詞が受動態のかたちをとらないことを知っているので)すぐに(C) collaboratingを正解として選ぶことができます。ところが、意味でしか覚えていない人は(B)と(C)で悩んだりします。では、もし空欄前のisが無かったらどうでしょうか?

The software firm ——- with universities to train future engineers.
(A) collaborate
(B) collaborated
(C) collaborating
(D) collaboration

この場合は空欄に(C) collaboratingを入れることはできません。本動詞が入る箇所に単独で現在分詞を入れることができないからです。また、いわゆる”三単現のs”が付いていない(A) collaborateを選ぶこともできません。(B) collaboratedが正解です。では、次の場合はどうでしょうか?

The software firm ——- with universities to train future engineers provides mentorship opportunities for students.
(A) collaborate
(B) collaborated
(C) collaborating
(D) collaboration

The software firmを受ける動詞として空欄に(B) collaboratedを入れると、その後に登場するprovidesと動詞が重複してしまうのでNGです。文の主語The software firmを受ける動詞はprovidesなので、「——- with universities to train future engineers」の部分は、The software firmを後ろから修飾する形容詞句になるはずです。分詞は形容詞の機能を持つため、空欄に分詞を入れれば形容詞句を完成させることができます。では、過去分詞の(B) collaboratedと、現在分詞の(C) collaboratingのどちらを空欄に入れればよいでしょか?

ここでもまたcollaborateが自動詞なのか他動詞なのかの知識が必要となります。名詞を分詞で修飾する場合、現在分詞で修飾するか過去分詞で修飾するかは、その名詞と”分詞のベースとなる動詞”の関係(態)で決まります。今回のケースではThe software firmとcollaborateの関係が、The software firm is collaborated with …と(受動態に)なるであれば過去分詞のcollaboratedで、 The software firm collaborates with …と(能動態に)なるのであれば現在分詞のcollaboratingで、それぞれThe software firmを修飾することになります。そして既に述べた通り、collaborateは自動詞で受動態のかたちをとることができないため、最終的に空欄に入れるべきは現在分詞の(C) collaboratingです。これで、形容詞句collaborating with universities to train future engineers(大学と協力して将来のエンジニアを育成する)が、直前のThe software firm(そのソフトウェア会社)を修飾する正しい文構造になります。

文法力が高い人は、上記で長々述べたプロセスをわずか数秒で処理して正解に辿り着くことができます。TOEICでスコアアップを望むのであれば、”意味さえわかれば自動詞/他動詞なんて別にどっちでもいいじゃん”という考え方はやめて、しっかりと文法と向き合うことが大事です。

というわけで、最後に「自動詞の用法のみ持つ動詞」と「他動詞の用法もあるが、ほぼ自動詞として使う動詞」を紹介しておきます。

★★★自動詞の用法のみ持つ動詞★★★
arrive(到着する)
collaborate(協力する)
happen(起こる)
occur(起こる)
proceed(進む)
peak(頂点に達する)
refrain(控える)
rise(上がる)
sit(座る)
wait(待つ)

★★★他動詞の用法もあるが、ほぼ自動詞として使う動詞★★★
appeal(魅力がある)
deal(扱う)
respond(応答する)
object(反対する)
reply(返信する)


6. task(動詞の語法/態)(860レベル)
taskは主に名詞として使いますが、動詞のtask(〔人〕に任務を負わせる)も大事です。

task
to give someone the responsibility for doing something

5.で紹介したcollaborateと違ってtaskには他動詞の用法しかなく、かつ、通例be tasked with(~の任務を負う)という受動態のかたちで使います。

💎The successful candidate is tasked with managing daily operations and ensuring team efficiency.
(採用された候補者は日々の業務を管理し、チームの効率性を確保する任務を負います)




仕上げに次の問題を解いてみてください。

Employees in the marketing department will ——- with developing a new strategy for the upcoming product launch.

(A) task
(B) be tasked
(C) tasked
(D) being tasked

正解は・・・言う必要ないですね。


7. the management of(前置詞/慣用表現)(600レベル)
「~の管理〔運営〕」と言いたい場合は、the management ofという表現を使うとよいでしょう。

💎She is responsible for the management of the customer service department.
(彼女はカスタマーサービス部門の管理を担当しています)
💎The warehouse supervisor is tasked with the management of inventory control and shipping operations.
(倉庫管理者は在庫管理と出荷業務の管理を担当します)




この意味でthe managementの後にonを使うことはなく、underを使う場合は「the management under + 人(~のもとでの管理〔運営〕)」か、「the management under + 期間(~の間の管理〔運営〕)」のように、後ろに「人」か「期間」をとります。

💎The company faced challenges during the management under the interim CEO.
(同社は暫定CEOによる経営中に課題に直面しました)
💎Productivity dipped slightly during the management under the restructuring phase.
(再編フェーズの運営期間中、生産性は若干低下しました)






いかがでしたか?ではまた次回もお楽しみに!
Practice makes perfect!


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