TOEIC L&R テスト 出題単語のCEFRレベル

TOEIC L&R テストに登場する英単語のCEFRレベルとその割合について調べてみました。データソースとして使用したものは以下です。

①TOEIC定期試験既出問題集(ETS, YBM)計8冊(※)
The Oxford 3000 and the Oxford 5000(Oxford Lerner’s Dictionaries)
WORD LIST FOR LEVELS A1-C2(Experimental Junior High School of the University of Macedonia)

①にはTOEIC L&R テストの過去問29セット(5,800問)と、ETSが作成した予想問題6セット(1,200問)の計35セット(7,000問)が含まれており、ここに登場する英単語を実際にTOEIC L&R テストに出題される英単語として分析しました。各単語のレベル分けには②と③のソースを使用し、Pythonでプログラムを組んで抽出したテキストデータをマッチングさせたところ、①に掲載されている8割の英単語についてCEFRのレベル分けに成功しました。その結果をグラフ化したものが以下です。



※『TOEICの定期試験既出問題集LC』『TOEIC定期試験既出問題集RC』『TOEIC定期試験既出問題集1000 LISTENING』『TOEIC定期試験既出問題集1000 READING』『TOEIC定期試験既出問題集2 1000 LISTENING』『TOEIC定期試験既出問題集2 1000 READING』『TOEIC定期試験既出問題集3 1000 LISTENING』『TOEIC定期試験既出問題集3 1000 READING』

このグラフから、TOEIC L&R テストに最も多く登場するのはCEFR B2レベルの単語(約27%)で、2番目に多く登場するのはC1レベルの単語(約22%)だとわかります。文部科学省のホームページに掲載されている資料『外国語教育の抜本的強化のイメージ』から、小・中・高で学ぶ内容がA1~B1レベルに該当すると考えると、高校卒業までに学ぶ初中級レベルの英単語は約44%TOEICに出題されると言えます。また、大学・社会人で学ぶ内容がB2~C2レベルに該当すると考えると、大学以降で学ぶ中上級レベルの英単語のTOEIC出題割合は約56%と言えます。

IIBCが公表している『TOEIC® Program各テストスコアとCEFRとの対照表』によると、A1~B1レベルは550点以上を目指す学習者が押さえておくべきレベルの単語で、785点以上を目指すのであればB2~C2レベルの単語を学ぶ必要があると言えます。つまり、785点以上を目指す人が購入すべき単語本は、A1~B1レベルの単語だけでなく、B2~C2レベルの単語もしっかりカバーしている単語本ということになります。自分はハイスコアを目指していないから関係ないやと思う人もいるかもしれません、しかし、TOEICでは英語ができる人もできない人も同じ問題を解きます。そうです、関係なくはないのです。何しろ、(今回分類できた範囲で)TOEICでは785点以上に該当するB2レベルの単語が約3割、945点以上に該当するC1レベルの単語が約2割も出題されるのですから!

TOEIC® L&Rテスト 英単語・熟語ワードツリー』(旺文社)に掲載されている英単語のCEFRレベルは以下の通りで、初中級(A1~B1)レベルの単語掲載率は約49%、中上級(B2~C2)レベルの単語掲載率は約51%です。


ワードツリーでは、785点以上を目指す上で大事なB2レベル以上の単語をしっかりカバーしています。既出問題集(35 sets)とワードツリーのCEFRレベル別英単語掲載率を比較した以下の円グラフをご覧ください。



この円グラフからわかる通り、TOEIC L&R テストに出題される英単語と、ワードツリー掲載の英単語は、CEFRレベル別の割合がほぼ一致しています。つまり、ワードツリーは785点以上を目指す人だけでなく、初級者から上級者まで幅広い学習者に有効な単語本であると言えます。ぜひ、ワードツリーでTOEIC対策をしていただければと思います。ワードツリーについては著書紹介ページをご参照ください。

最後に、CEFRの各レベルに該当する単語をいくつかご紹介しておきます。



参考文献一覧
1. TOEIC定期試験既出問題集
2. Oxford 3000 and 5000(Oxford Learner’s Dictionaries)
3. WORD LIST FOR LEVELS A1-C2(Experimental Junior High School of the University of Macedonia)
4. 外国語教育の抜本的強化のイメージ(文部科学省)
5. TOEIC® Program各テストスコアとCEFRとの対照表(IIBC)

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